獣医学生がなんとか単位を拾っていく

首都圏在住の獣医学生が、授業やテストに役立ちそうな情報を拾っています。

オーストラリアの火災でコアラを知る

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オーストラリアで起きた森林火災は、信じられないくらい大規模に広がって、消失面積は日本の半分の面積になるとか。

そんな中で、多くの野生動物たちも被害にあってるそうです。
断片的な情報はニュースで聞くけど、実際どんなことになっているかよくわかってなかったけど、Youtubeでコアラレスキューの映像を見つけました。

Bondai Vetはあの有名なイケメン獣医師クリス・ブラウンが出演してたTV番組で、そのYoutubeチャンネルです。

 

映像は、獣医がオーストラリア南部のアデレードにあるコアラレスキューセンターに向かうところから始まります。
コアラはカンガルーと違ってゆっくり動くので、火災から逃げ遅れてしまうのかも。アデレードでは、2万5千頭のコアラが死亡したそうです。


 

センターは、体育館にコアラゲージ(本当は赤ちゃん用?)を大量に設置し、最大120頭受け入れ可能。
ボランティアは150人、獣医・動物看護師も80人は来てお世話をしています。

現場の獣医師は『野生動物獣医』って紹介されているから、オーストラリアではそういうジャンルが確立しているのかも。

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この丸いゲージの中に、コアラが入ってる

↓ ゲージの中の様子 かわいさがすし詰め。

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野生のコアラは単独生活で、普通はこのように密集していないので、ケガが治って栄養状態がよくなったら野生に戻すそうです。

運ばれてくるコアラの状態は、脱水症状、やけど、栄養失調など様々で高齢のコアラも多いとか。

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↑ ぬいぐるみにつかまるコアラのこども。

保護されたコアラには名前が付けられていて、名付け親は保護した人がつけるらしい。
状態がよくなったら、ユーカリの木があるところに離して、野生に戻ってもらう。

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ここがまた火に囲まれることがないといいね。

 

【コアラ情報】
哺乳綱オポッサム目コアラ科コアラ属
コアラはオーストラリアのみ生息している有袋類で、AU北部と南部では大きさに個体差がある。縄張りの中で単独で暮らし、出産は年1回1頭。
赤ちゃんは、2㎝、0.5グラムの驚きの小ささ!
袋内の2つのおっぱいにくっついて育つ。半年ほどで袋から顔を出し、離乳が始まる。
離乳食は『パップ』と呼ばれる母親の排泄物。これを食べて腸内細菌叢を形成し、有毒なユーカリの分解と代謝をできるようにする。ユーカリには色んな種類があり、コアラによって
好みが違うようなんだけど、細菌叢の違いが好みに反映しているらしい。そして、ユーカリ分解のため盲腸が2mと長いうえ、代謝にエネルギーを使うから1日の大半を寝て暮らす。
寿命は15年くらい。
猛禽類や犬などが天敵で、交通事故などによる死亡例もある。
また、かなりの割合でクラミジアに感染しているため、失明や不妊症が出ている。

離島ではクラミジア感染してない個体群がいるらしいんだけど、火災が起きて避難させようとしても、本土の感染コアラたちと一緒にできないから避難できないらしい。

 

ちなみにどうしてオーストラリアがこんな異常事態になったのか、BBCのお天気キャスターが説明してくれる映像がこちら。


キャスターのお姉さんのセクスィー衣装にくぎ付け(・□・)ワァオ